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「怖い絵3」 [Book - Public]

◎「怖い絵3」中野京子著(朝日出版社刊)

◆内容(「BOOK」データベースより)
清楚でロマンチックな『ヴィーナスの誕生』……じつは、美神の憂いの陰には?
神からの祝福を描いたミケランジェロの『聖家族』……聖ヨセフの抹殺された事実とは?
伝説の薄幸の美少女『ベアトリーチェ・チェンチ』……しかし本当の悲劇とは?
本物の恐怖が味わえる名画20。


 西洋名画の数々“怖い”という切り口で、描かれた歴史的背景を通じて読み解いたシリーズ。
 「怖い絵」「怖い絵2」に続く第3弾。

 正直なところ前2冊と内容的にそう変わるところはない。もちろん1冊目のコンセプトが受けての続刊だから、無理に変えることもないわけだが。
 今回もあからさまにショッキングな絵は少ない(ルーベンス「メドゥーサの首」レーピン「皇女ソフィア」、陰惨さとしてはゴヤの「マドリッド、一八〇八年五月三日」か)。むしろ中世~近代のヨーロッパの貴族や庶民を描いた絵を提示し、その当時の彼らの生活の実態―現代からすれば異常と思えたり、過酷なもの―を紹介し、それを怖さに結び付けているものがいくつかある(1や2におけるブリューゲル「絞首台の上のかささぎ」ベラスエケス「ラス・メニーナス」もそれに当たる)。
 また、昨今の経済事情を反映してか「社会格差」に絡めた作品も増えた気がする。
 いささか想像力に勝ちすぎないかという文章もなくはないが、ところどころにユーモアを交えて十分に愉しめた。

 表紙はフュースリ作「夢魔」だが、この画家とあの「フランケンシュタイン」(原作)との奇妙な関わりも触れられていて、ホラー小説読みとしては「ほぉー」となるところも。

 「怖い絵」「怖い絵2」の感想で
>シュルレアリスム絵画などが一点も紹介されていないことが今一つ
>(キリコやダリ、あるいはクリムトやアンソールなど
>登場しても不思議じゃないのに)。

と愚痴めいたことを書いたが、今回はクリムトの弟子であるシーレの「死と乙女」、そしてアンソール「仮面にかこまれた自画像」が収録されている。
 まさかあの時の感想が書き手側に伝わったはずもないだろうが(あるわけがない)、ラジオ番組にリクエストした曲が偶然でもかかったような気分で、ちょっと嬉しいw
 ※絵のタイトルに画像リンクを貼ってみたので、興味ある方はそちらも。

 

 「あとがき」において著者曰く、このシリーズはPart3で完結とのこと。それが本当に残念。

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