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「怪談実話 黒い百物語」 [Book - Horror/SF/Mystery]

 怪談誌『幽』連載の怪談実話など100篇を収録した“読む百物語”

「怪談実話 黒い百物語」福澤徹三著(MF文庫ダ・ヴィンチ刊)

◆内容紹介(裏表紙から)
しみじみ怖い。あとから怖い。

『怪を訊く日々』『黒本 平成怪談実録』など達意の文章の怪談実話集を送り出してきた名手・福澤徹三。怪談専門誌『幽』連載で5年間にわたって蒐集した怪談実話全100話を一堂に掲載。単行本版を加筆修正し、未収録の6篇を加えた決定版!1話ごとにじわじわと恐怖が増していく、読む百物語。ひと晩で読めば、なにかが起こる。
解説は、歌人・穂村弘。

 このブログで感想を書いた本は90冊ほどだが、福澤氏の本を採り上げている数は多目かもしれない。別に作家買いしているわけではないが、元々読むジャンルが著しく偏っている上、昨今の実話怪談の出版ラッシュときてはフォローもしきれない。従って自然とハズレのない作家の本ばかり購読してしまうからなのだが。

 最近は非心霊系のホラーピカレスク小説も多く手がけているが、当初は実話系怪談から作家活動をスタートした著者のこと、今作でも蒐集した「素人が語る怖い話・不思議な話」を、過剰な演出にも無機的にも偏らぬ手練れの筆致で“実話怪談”として仕上げている。そこには

~怪異はあると屁理屈をこねるつもりはない。何度となく書いていることだが、私は超自然的なものに関して、肯定も否定もしない立場である。
 とはいえ、長い間怪異を蒐集していると、肯定のほうへ気持ちが傾くこともある。やはりそういうものはあるのではないかと思わしめる話に遭遇するからである。けれどもそれは、怪談とべつの方面の興味であって、事の真偽を云々するのは野暮でしかない。
 怪談は、ただ読んで聞いて、怖がるなり不思議がるなりすれば足りる。
(「まえがき」より)

という著者の態度がいい方へ作用しているのではないか―とも思える。

『百物語』というシバリから100篇を仕立てるには相当に苦労したようで、元々1話であったものを分けるなど「姑息な手段」(by著者)を採った、とある。また同時期に似たような話が集まってくるということもあるのか、ここでは時間の過ぎ方にまつわる奇妙な体験談が何話か続く箇所がある。
 もちろん編集段階での操作でもあるのだろうが、同じ体験者の話が3、4篇続いたり、異なる話者の似たような話が続いたりするのは、実際に数人が集まって怪談を語る際、1人が「そういえばこんなことも……」と続けて語るとか、他の人の話に続けて「自分もそれと似たような話が」と語り出すのをあたかも聞いているような感覚―なんて言ったら言い過ぎだろうか。

 インパクト重視の描き方でない掌編がほとんどな上、それが100篇ともなると印象がばらけてしまうが、そんな中でも印象に残ったものを強引に10篇あげてみるならば、

「10.離れに住む老人」「13.仏壇の中身」「38.新興宗教
「40.」「53.仔犬」「62.ふたり」「66.
「78.霧の朝」「83.既視感」「98.着信

の10篇。
 小説ではないが故に怪異の理由や因果、明確な結末などが語られぬままのものも少なくないが、13、40などはその因果なり理由が不明なことが怖く、38や83などは怪異の根源が今なお終わっていないかもしれない―と思えることが怖い。そして、62と66の“あえて語られていない部分”が、何とも……不気味。

“百物語”だけに「ひと晩で100篇読み切ってはいけない」という作法に則り(?)少しずつ読み進めたため、2月上旬に購入後間もなく読みはじめたものの、読了まで思いの外時間がかかってしまったw

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