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「幻想文学入門(世界幻想文学大全)」 [Book - Horror/SF/Mystery]

 この年末年始、全くといっていいほど本を読まなかった。
 細々と雑用で忙しかったこともあるが、腰を落ち着けてゆったり読書する気になれなかったというか。それでも年末にまた何冊か買い込んでしまったので、積読本は順調に増えている……。

 昨年の私的ベスト5を選んでネタにすればいいのだろうが、振り返ってみるとさほどズバ抜けて印象的だった本もなかったような。ま、そのあたりは気が向いたら選んでみようかと。 


 こちらは昨年12月上旬に読了していたもの。

「世界幻想文学大全 幻想文学入門」編著)東雅夫(ちくま文庫刊)

◆内容紹介(裏表紙から)
古代から現代に至る幻想文学の全貌を全3巻に凝縮させた画期的アンソロジーの本書は「ガイダンス」篇。伝説の雑誌「幻想文学」の編集長である東雅夫が、澁澤龍彦、中井英夫、倉橋由美子、ラヴクラフト、カイヨワほか名だたる作家・批評家による必読の幻想文学論や名エッセイを精選・展覧しつつ、妖しい魅惑に満ちた怪奇幻想文学世界を案内する。入門/再入門に最適な必携のハンドブック!

 怪奇色の濃いマスターピースを揃えた『怪奇小説精華』 、幻想の味わいが強い名作を収録した『幻想小説神髄』 、そして解説・評論篇の『幻想文学入門』との全3冊によって構成されたアンソロジー叢書≪世界幻想文学大全≫。本書はその通り<幻想文学とは何か>というテーマについて考察する評論、エッセイを収録し、幻想文学を歴史に沿いつつ俯瞰的に捉えようとする一方、他の2冊を愉しむためのサブテキストというべき構成になっている。

 執筆者も澁澤龍彦、平井呈一、紀田順一郎、中井英夫、倉橋由美子、シャルル・ノディエ、小泉八雲、H・P・ラヴクラフト、ロジェ・カイヨワ(掲載順)とそうそうたる顔ぶれでどれも読み応えあり。特に本書の1/3を占め、

「人間の感情の中で、何よりも古く、何よりも強烈なのは恐怖である。その中でも、最も古く、最も強烈なのが未知のものに対する恐怖である」

の冒頭文が有名なラヴクラフトの評論「文学と超自然的恐怖」は―HPLやクトゥルー神話を好む向きはとうの昔に既読であろうが―そのボリュームと仔細さにラヴクラフト自身の怪奇文学というジャンルへの傾倒、偏愛っぷりが見て取れ、圧倒されつつも愉しめる。

 とはいえ―これをもって"入門編"、"導入編"としてしまうのはいささか敷居を高くしてしまったのではないか……と思えなくもない。刊行がちくま文庫という、やや堅めというか専門色の濃いレーベルで出たということもあるだろうし、その時点でライトな読者層ではなく、ややマニア寄りの愛好家に向けられた構成だと考えればいいのだろうけれど。

 

 先人の評論やエッセーの幕間を埋めるように、編者の解説や補足が挿入される形式なのだが、これがもう少しあってもよかったんじゃないか、というのが素直な感想―ではある。

 で、引き続いて『怪奇小説精華』を読み始めたのだが……(つづく)

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